
- 自衛官はもうやだ!すぐにでも退職したい!
- 自衛官の退職ってどんな手続きがあるの?
- 退職のスケジュールをつかんで転職活動をしたい!
と疑問を抱えている方のお悩みを解決できる記事になっています。
この記事で紹介する『転職活動を始める前に理解しておきたい自衛官退職の手続き』を知っておくと安心して転職活動をできるようになります。
実際に私は退職の手続きを知ってから悩むことなく転職活動をすることができました。
この記事を読み終えると何の心配もなく転職活動を進めることができますよ!
自衛官をすぐに退職することはできるのか

結論から言うと自衛官をすぐに退職することはできません。
私が自衛官を退職する前後にも、同じく退職について徹底的に調べて退職した後輩がいましたが、それぞれの退職に要した期間は以下のとおりです。
- 後輩A(2等陸尉):1か月半(4月中旬に退職の意志表明、5月末退職)
- 私(1等陸尉):2か月(6月下旬に退職意思表明、8月末退職)
- 後輩B(1等陸尉):3か月(9月に退職の意志表明、12月末退職)
「陸士・陸曹なら3か月~5か月、幹部なら4か月~9か月」というひともいるなかで、この3つの例は1か月半~3か月とかなり早いほうです。
それでも 1か月半~3か月かかってしまうのは、自衛官の退職についての法律と規則があるからです。
退職についての法律と規則はスムーズに退職するためにもぜひとも知っておきたいことです。
以下に紹介する記事に詳しく書いていますが、退職までの期間は
30日(上申の期限)+7~28日(上申までの手続き)+?日(上司による引き止め)
になります。
転職活動と並行して退職の手続きをしたいひとは、この1か月半~3か月の間にはどのような手続きがあるのか気になるところですよね。
退職を決意してから退職日までの過程はこんな感じです。
- 直属の上司との相談
- 上申書類の作成
- 共済組合関係の手続き
- 退職の準備

では、時系列に沿って説明していきますね。
自衛官の退職手続き:直属の上司との相談

自衛官が退職する前に避けては通れない道です。
自衛官の退職に時間がかかる要因はこの直属の上司との相談です。
上司は今後の業務のことや自身の評価を考えるので簡単にはOKしてはくれません。
あらかじめ以下のことを整理してから相談する必要があります。
- 退職理由
- 退職に至る経緯
- 退職後の予定
- 退職希望日とその理由
これらを具体化して上司がOKせざるを得ないロジックを組む必要があります。
上司の引き止めはかなりしつこくて折れそうになることもあります。
でも、「2か月で自衛隊退職!元幹部自衛官が教える退職の法律・規則と期間」という記事で詳しく紹介しているとおり、法律・規則上も退職を止めることはできないので大丈夫ですよ。
上司の引き止めについてはまた詳しい記事を書きますね!
自衛官の退職手続き:上申書類の作成

退職について上司の理解を得ることができたら上申書類の作成に移ります。
基本的には以下の規則に従った手続きになります。
- 幹部:自衛官人事管理規則
- 陸士・陸曹:師・旅団の人事管理規則
これらの規則の詳細は「2か月で自衛隊退職!元幹部自衛官が教える退職の法律・規則と期間」 を参考にしてくださいませ。
退職の承認権者に上申するため、人事管理規則の別紙「退職願」と「退職者調書」を作成します。
「退職願」と「退職者調書」は人事担当者がヒアリングをして作成するのでこちらから動く必要はありません。
直属の上司との相談の際に整理した項目をそのまま伝えればOKです。
この時点で退職日がほぼほぼ確定します。
転職先が決まっているひとは転職先の担当者にお伝えしてもいいと思います。
上申の過程で各級司令部の偉い人から意志確認をされる場合もありますが意志が固いことをストレートに伝えましょう。
ここであいまいな返事をしてしまうと上申がストップする可能性があります!
自衛官の退職手続き:共済組合関係の手続き

退職の手続きと並行して進めなければならないのが共済組合関係の手続きです。
どのような手続きかというと主にこの3つです。
- 防衛省共済組合貯金の解約
- 防衛省共済組合員証の返納
- 各種保険の解約
共済組合への依存度はひとそれぞれなので、退職の手続きもひとによって異なります。
不安に感じるかもしれませんが、共済組合からチェックリストを渡されるのでそのとおりに進めればOKです。
チェックリストには期限が書いてあるので期限までに間に合うように準備を整えていきましょう。
各種保険は退職後も少しの間だけ加入し続けることもできます。
共済組合の保険は一般の保険に比べて安いので、退職後の各種保険が決まっていないひとはとりあえず加入し続けることをおすすめします。
自衛官の退職手続き:退職の準備

退職が決まったら少しずつ進めていきたい準備がこの3つ
- 業務の申し送りの準備
- 制服や装備品などの返納
- 個人の持ち物の整理
この3つは計画的に準備しておかないと後々大変ですよ。
ひとつずつ詳しく紹介しましょう。
業務の申し送りの準備
社会人として当たり前のことですが、業務を次の担当にちゃんと引き継げるように早めに準備をしましょう。
申し送りは転属のときと同じ要領です。
「どうせ辞めるからもう関係ない!」
などと考えるのはやめましょう。
制服や装備品などの返納準備
制服や装備品などの返納は意外と時間がかかります。
返納の準備はこんな感じです。
- 制服や作業服:着ることがないものは早めにクリーニング
- 装備品:使用予定がないものは整備して早めに返納
- 個人の持ち物:持って帰らないものは早めに譲渡、破棄
制服は退職日まで着ることになるので1着は残しておきましょう。
最後の1着のクリーニングは同僚などにあらかじめ頼んでおく必要があります。
個人で購入した教範類はただ破棄するだけでなく、破棄にともなう手続きも必要になります。
担当者とあらかじめ調整してから破棄しましょう。
また、演習などで使っていた寝具などは忘れがちです。
「使わないから黙って置いていこう」なんて考えてたら着払いで自宅に届きます。
持って帰るか誰かに譲渡したほうが無難です。
自衛官の退職手続き:退職の日

退職の日にすることはこの2つ
- 部隊長等への申告
- 身分証の返納
部隊長等への申告の口上は人事担当者が用意しているので心配ありません。
自衛隊以外ではこんな儀式はないので最後はしっかり申告しましょう。
申告を終えると人事担当者から身分証の返納を求められます。
身分証を返納して営門を出ると自衛官生活が終わります。
まとめ: 転職活動を始める前に知っておきたい退職の手続き
以上が『元幹部自衛官が教える!転職活動を始める前に知っておきたい退職の手続き』です。
- 直属の上司との相談:自衛官の退職で一番の難関
- 上申書類の作成:ヒアリングを受けるのみで人事担当者が作成
- 共済組合関係の手続き:配布されるチェックリストに基づいて手続き
- 退職の準備:「申し送り」「制服や装備品等の返納」「個人の持ち物の整理」
- 退職の日:部隊長等への申告と身分証の返納
退職日がほぼ確定するのは人事担当者が上級司令部等に上申したときです。
なので、直属の上司と相談している段階で転職先に転職する日を伝えるのは控えたほうがいいと思います。
これで自衛隊退職の手続きとスケジュール感はばっちりですね!
安心して転職活動をしてください!
自衛隊を退職したいという決心がついたら早速行動しましょう。自衛隊からの転職は年齢を重ねるほど確実に不利になりますよ!