SESからの退職を考えたときに「退職したいけどプロジェクトの途中だし無責任かも…」とタイミングを気にする人は多いです。
SESは企業の方針によって契約形態も変わるため、対処法も変わってきます。ただし、ここだけは守っておけば円満退職に繋がるというポイントもあります。
そこで今回は、プロジェクトを途中退職するときのNGポイントについて解説していきます。
【結論】プロジェクトの途中退職は法律上問題なし

民法では、退職日の2週間前までに伝えることで、退職できることになっています。
第六百二十七条
引用元: 民法(明治二十九年法律第八十九号)
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
ただし、会社の上司などに「無責任なやつだ!」と思われないためには、退職の1ヶ月前までに伝えるのがベストです。

新たに人員補充が必要なので早めの連絡が吉です
とはいえ、「炎上プロジェクトなどで今すぐ抜けたい…」といった場合は、まずは思考停止して休みの連絡を入れましょう。

転職を考えるなら精神状態が安定していないと難しいです
プロジェクトの途中退職は全く問題ないですし、仮に問題が出るならそれは会社の責任です。
以下の記事で、ストレスに合わせた取るべき行動をまとめています。「今すぐ休むべきか」「もう少し頑張って転職活動するか」など悩んでいる方はぜひご覧ください。
» 【客先常駐(SES)で一人辛い…】最初は客先変更を考えるのがおすすめ!
プロジェクト途中の退職で「無責任」と思われないための4つのポイント

プロジェクト途中の退職で「無責任」と思われないためには、残るメンバーや会社に対して誠実な態度を取ることです。
打算的ですが、会社がブラック企業でもできるだけ誠実にしておくと転職時のアピールにも繋がります。

精神的に余裕のある範囲で実行することが重要です
では、どのようなポイントを心がけるべきか?と言われると以下の4つです。
- 円満退職を心がける
- 会社の相談もできるだけ聞き入れる
- プロジェクトの上司にも連絡する
- 引き継ぎの資料を作成・共有しておく
円満退職を心がける
退職が決まると明らかに手を抜く人がいますが、絶対にやめましょう。
IT業界は意外と狭い上に「客先常駐」「受託開発」があるため、どこで以前の職場の人と知り合うかわかりません。

特に技術スタックが似ていると似たような会社に入りやすいです
ブラック企業なら、あらぬ噂を立てて転職活動を邪魔するといったケースすらもあります。
「会社側が悪いのに、自分だけ誠実に対応する意味がわからない!」という気持ちはわかります。ただし、数ヶ月の我慢で今後の人生を棒に振る方が後々辛くなります。
今までの仕事と同じ量の仕事をこなせば十分なので、退職までの一踏ん張りと思って頑張ることをおすすめします。
会社の相談もできるだけ聞き入れる
円満退職を考えるなら、会社からのお願いもできる限り対応することが理想です。
ただし、「もう少し長くいてほしい」など退職時期に関する相談だけは、会社の良いように使われることが多いので強固な意思を貫いたほうが良いです。

一度OKしてしまうと必ずもう一度期間を引き伸ばすお願いが来ます
場合によりますが、聞き入れても良い会社のお願いは大体以下の通りです。
- 引き継ぎ依頼
- 部署異動(人間関係が原因で退職する場合)
- 給与アップ(給与が原因で退職する場合)
- その他業務に関する依頼(採用など)
プロジェクトのリーダーにも連絡を入れる
もし会社からプロジェクトのリーダーへ連絡が入ってなさそうな場合、連絡をしたほうが良いです。

普通の企業であれば会社がやってくれるので気にしなくて大丈夫です
タイミングとしては、会社と退職タイミングの合意が取れた際に伝えます。もし、会社が連絡を入れている場合は、
- 退職までの作業スケジュール
- 引き継ぎ資料の内容
引き継ぎの資料を作成・共有しておく
引き継ぎ資料の内容については、以下の手順でリーダーと認識を合わせておきましょう。
- STEP 1:欲しい資料の洗い出し
- STEP 2:フォーマットの指定(あれば)
- STEP 3:作成する資料のリストアップ&確認
- STEP 4:作成
STEP 2のフォーマット指定はない場合は、作成しても正直あまり見られることはありません。笑

そうした企業はドキュメントを「残す文化」も「読む文化」もないので
なので、気負いすぎずに必要そうな項目をまとめておくことをおすすめします。
プロジェクトの途中で退職するのは悪いことなのか?

職場にもよりますが、プロジェクトの途中で辞めることを伝えると「無責任だ」「どこの職場に行っても同じ」と言われることもあります。
心の中で「本当に転職しても大丈夫だろうか?」と不安を持っているときに、言われると転職の一歩が踏み出せなくなります。

転職や社会経験の少ない若手だと余計ですね…
しかし、僕の経験上、そんなことを言う会社の人がいる環境だと責任感のある人ほど潰れます。
「人や時間が足りない」のは会社や経営陣の責任
人が足りないのはあなたが辞めるから足りないのではなく、会社や経営陣の責任です。
こちらの条件を受け入れてでも引き止めるなら理解できます。しかし、他に可能性がないような言い方は聞く耳を持たずにOKです。

そもそも他で雇えないような社員に育てている会社にいる意味…
いい会社であればプロジェクトの途中で辞めると伝えても、最終的には個人の決断を必ず後押ししてくれます。
それができない会社であれば、正直長く居続ける意味はないと言えるでしょう。
まとめ|プロジェクトを途中で辞めるのは問題なし!後悔ない選択を!

ここまで、プロジェクトを途中で辞めるのは決して違法ではありません。労働者の権利として2週間前までに退職を伝えれば辞めることは可能です。
ただし、できれば無責任と思われて辞めるのは避けたいはず。そのためには以下の4つを意識しましょう。
- 円満退職を心がける
- 会社の相談もできるだけ聞き入れる
- プロジェクトの上司にも連絡する
- 引き継ぎの資料を作成・共有しておく
プロジェクトの途中で退職することは決して悪いことではありません。ただし、いざ辞めるとなると不安になる人も多いです。

今よりいい環境に転職できる…?と心配になります
以下で客先常駐からの転職で事前にするべきステップを紹介しています。こちらを読んで給料アップ、残業時間減少など理想の転職を実現する一歩にしていきましょう。